佐賀ならではの時間や空間の楽しみ方など、通りいっぺんの観光では味わえない濃い深い情報満載です!  PR隊長のはなわさんや優木まおみさんがディープな佐賀へと誘います。

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 大和町 川上峡の川面を泳ぐこいのぼりの風景は、佐賀市を代表する春の風物詩である。佐賀市街から国道263号線を福岡方面へ約15分ほど走ると、岩肌をのぞかせてザワワと流れる嘉瀬川と、道に沿って緑の木々が待ち受けている。この辺りは「九州の嵐山」と呼ばれるほどの自然豊かな景勝地で、年間を通してドライブを楽しむ行楽客が多い中、特に多くなるのが、毎年3月の中旬~5月中旬まで開催されている「川上峡春まつり」の時期である。川上峡を舞台に300本以上の大小様々なサイズのこいのぼりを、嘉瀬川が流れる川上峡の川幅いっぱい、11本のケーブルを渡して、1本に約30本の鯉のぼりが取り付けられている。地元の有志が「人が集まるようなイベントを何かやろう」という気持ちから始めた吹き流し、今年で32回を数える。


赤い勧進橋をくぐる時も楽しい


船頭さんの巧みな櫂さばきで方向転換

 使用しなくなったこいのぼりを募集して、何百と送られてきた鯉のぼりを一本一本川に渡したケーブルに取り付けていくという大変な作業。地道な作業のおかげで、2~6、7メートルクラスの鯉のぼりが華やかに風に舞う景色を楽しめる。せっかくの鯉を水上で眺めたいという声があがり、大和町商工会が屋形舟を購入したことで、割高ではあったが貸切で船上からの吹き流しを楽しめるようになった。これが、一般客も気軽に屋形舟遊覧を広めるきっかけになった。

 屋形舟に乗せてもらった。川の中央あたりには、舟に接触するほどの大きい鯉が泳いでおり、乗客がタッチできるように工夫されている。水面と同じくらいの高さから見上げる鯉は、道路沿いや赤い勧進橋から見下ろす景色とは違う。視線を上に移すと、鯉に覆われたような気分になり、至近に迫る鯉は迫力十分! ゆっくりと川上に行って戻って、約10~15分の舟遊覧。子供も大人もその時だけは、日常のせわしいことも忘れ、自然に溶け込んでいる。


観光客のほか、仕事や留学で佐賀に居住する海外客の乗船も多い


往復約10~15分の船旅を楽しむ乗船客

 日光にさらされる鯉は、傷みも出てくる。破れや老朽化が進んだ鯉のぼりは交換されるが、管理は大事に行われている。手紙と一緒に鯉のぼりを送ってくださる方もいるらしい。子供が大きくなって鯉のぼりの出番はなくなったものの、立派な泳ぎでもう一花咲かせてほしい、という思いが綴られていたそうだ。ひとめ泳ぐ姿を見るために川上峡に来て、風に乗って泳ぐ鯉をみて感動する姿も胸が熱くなる。
「一時期はたくさん送ってもらって、鯉が溢れていましたが、大きな鯉のぼりを誂える方の減少と比例するように寄贈数が減ってきて、現在では350匹ほどになりました。色あせた鯉でも大事にしながら吹き流しを続けています。全盛期のような数多くの鯉が泳ぐ光景を皆さんにお見せしたいので、タンスや押し入れに眠っている鯉があったら、ぜひ送ってください」と船頭の皆さん。
 鯉のぼりに再び命を吹き込んで、佐賀の春景色に一役買ってみては。

川上峡春まつり
期間 ~5月15日(日)の土・日・祝日運行
運行時間 10:00~16:00
料金 中学生以上 300円、小学生 100円
幼稚園以下無料
※天候により運休する場合あり
問合せ 大和町観光事業実行委員会
0952-20-2200

★家庭で飾らなくなったこいのぼりの寄贈はコチラへ
(一社)佐賀市観光協会
0952-20-2200