佐賀ならではの時間や空間の楽しみ方など、通りいっぺんの観光では味わえない濃い深い情報満載です!  PR隊長のはなわさんや優木まおみさんがディープな佐賀へと誘います。

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主任学芸員・富田紘次さん

佐賀市の春の風物詩としてすっかり定着した「佐賀城下ひなまつり」。メイン会場は柳町の佐賀市歴史民俗館? いやいや、ぜひ、訪れてほしいのが、鍋島家の収蔵品を管理・展示している徴古館。鍋島報效会 徴古館の主任学芸員・富田紘次さんに佐賀ならではのディープなひなまつりを楽しむべく、「鍋島家の雛祭り」について案内していただいた。



小城鍋島家に伝わる古今雛を徴古館に展示


「高さ約50センチの古今雛は、保存状態もよく、冠飾りも豪華です。男雛は、正面からの姿勢をよくご覧ください。アメフト選手のような厚い肩まわりに、強さや威厳を感じられます。女雛は、衣装の袖口が見どころです。


左のほうは桜、右のほうは菊や桔梗などが、色とりどりの刺繍で表されています。十二単の略式になる五衣(いつつぎぬ)を着装しています。袖口だけでなく、後方の裾までも五つの衣を表現している細やかな装飾も魅力です。古今雛は、王朝の貴族への憧れを投影させたもので、華やかな金襴や刺繍などが一際美しく、目に留まります。歴史の長さでいうと、小城鍋島家に伝わったこの古今雛は、約200年の歴史があり、佐賀城下ひなまつりの雛人形の中では、最も古く、見ごたえのある雛人形の一つですよ」


鍋島本家の雛人形は、明治7年の佐賀の乱や、関東大震災、戦時中の空襲などで、焼失してしまい、運よく被害に遭わなかった一部が徴古館で保管されている。


銀製雛道具(公益財団法人鍋島報效会所蔵)


徴古館入ってすぐ正面 銀製の雛道具をつぶさに見学しよう。

 栄子さまや紀久子さまの雛人形や雛道具も気になるところ。
「海外からのお客様は、お人形よりもお道具に関心を持たれる方が多く、「三面盤」を見て、これは何だ?と質問をお受けしたりします。三面盤とは、碁盤、将棋盤、すごろく盤のことで、当時は、女性もたしなむ遊戯具でした。お飾り用の小さい三面盤は、雛壇でも存在感があります。三面盤以外にも、お二方は雛道具を数多くお持ちで、11代夫人の栄子(ながこ)さまは、嫁いできた後も買い足していかれたそうで、西洋文化も取り入れながら、日本の伝統文化も大変大事にされていました」。
 館内入って正面にあるガラスケースには、肉眼では判別できないような文様や細工が見られるよう、一部の展示品にはルーペが設置されており、ミニチュアの世界を堪能できる。これは、黒田家から嫁いだ12代夫人の禎子さまの嫁入り道具の一つだそうだ。夢のある雛道具から、職人の心意気と繊細な技の世界にため息がもれる。


鍋島栄子さまの大雛段飾り


高貴な家柄では横に長い雛壇飾りが主流だった!

「全長6メートルの大雛壇に、栄子さまの雛人形やお道具を展示しています。鍋島家の雛人形は、娘さん方のお嫁入りの時に持たせたりしたのでしょう、現存する品数は多くはありません。嫁ぎ先からお借りして展示したこともありますよ。高貴なお家柄のお宅では、横に長く雛壇飾りをしていたそうで、鍋島家の雛飾りも、横にズラリと雛人形やお道具が飾られています。館内にはかつての雛壇飾りの写真も展示されています。写真と今回の展示を見比べてながら、同じものを探してみるのもディープな楽しみ方の一つですよ」



【徴古館 鍋島家の雛祭り】
期間:~3月31日(金)
電話:0952-23-4200
時間:10:00~17:00
休み:会期中は無休
徴古館URL http://www.nabeshima.or.jp


【佐賀城下ひなまつり】
期間:~3月31日(金)
会場:佐賀市歴史民俗館・徴古館他
チケット:佐賀市歴史民俗館(旧古賀銀行、旧古賀家、旧三省銀行、旧福田家)、徴古館の展示見学はチケットが必要
共通券 600円・徴古館券 300円・佐賀市歴史民俗館券 400円 / 共通券・佐賀バルーンミュージアムセット券 1000円
※小学生以下は入場無料
問い合わせ:佐賀城下ひなまつり実行委員会(佐賀市観光協会内)
電話:0952-20-2200
HP:sagabai.comを検索


【周遊バス】
期間中の土・日曜、祝日限定で、周遊バスを運行
運行期間:~3月31日(金)まで
運行時間:10:00~17:00
運行間隔:20分間隔
料金:1乗車150円(小学生80円)