佐賀ならではの時間や空間の楽しみ方など、通りいっぺんの観光では味わえない濃い深い情報満載です! PR隊長のはなわさんや優木まおみさんがディープな佐賀へと誘います。
スイーツ男子の宇都宮さんは、「和」のスイーツももちろん大好き。今回は、佐賀市の街なかで85年の歴史をもつ、甘味処「一平」にお邪魔しました。
老舗の風格漂う店舗。心なしか背筋が伸びる宇都宮さん
「佐賀市で昭和の初期から営業されている甘味どころと聞いて、少し、緊張しています。建物の雰囲気もタイムスリップしたようで趣(おもむき)がありますね。僕は、あんこ系も大好きなので、こちらでいただくスイーツ、楽しみです」と宇都宮さん。
佐賀市八幡小路にある「甘味処 一平」は、昭和6年に開業したお店で、店主・高島良邦さんは二代目になります。無声映画の語りや解説をする<活動弁士>をしていた先代が、映画の仕事を辞め、甘味屋を創業したのが始まりで、父子合わせて、甘味一筋、85年の道のりを歩んできています。
「あわぜん」や「しるこ」「かき氷」など、あんこが際立つ和の甘味を求めて、先代の時代からの常連客から、SNSで最近、情報を入手した新顔さんまで、幅広い客層が訪れますが、原料や自家製あんのつくりには、妥協を許さず、先代から受け継いだ<秘伝の製法>を守り続けています。
宇都宮さん、名物「あわぜん」のお味はいかがですか?
宇都宮さんは、数ある甘味メニューの中から、「あわぜん」を作っていただきました。あわぜんは、粟をつかったぜんざいのこと。
原料のもちきびの粟は、3日間水にさらして、揉(も)む作業を経て油とアクを抜き、蒸し器でふかして、七分づきにします。それにこしあんをかけて出来上がり。宇都宮さんの初「あわぜん」体験、どんな味わいが広がるのでしょう?
「上品な器に盛りつけられているんですね。湯気がホワンと立ち上がり、粟の香りも優しく漂います。口当たりなめらかでほどよい甘さ。甘さの中に感じる絶妙な塩味加減がさらにあんこの魅力を引き立たせていると思います。口の中でもたっと甘さがついてこないので、後味もいいです……。しっかりと甘さを出しながらも、とても上品で、すうっと体に入っていきます」。
宇都宮さんが指摘されるように、あんづくりはお店の生命線。上質な北海道十勝産大納言小豆を入手し、手づくりであんこをつくっています。小豆の豆の感じをきちんと感じると同時に、「甘さ」もほどよく味わえる自家製あんこに、お店の個性がしっかりと表れています。
あわぜんの他にも魅力的な甘味がたくさん!
あわぜんの他にも、あんみつやしるこ、宇治みぞれやミルクセーキなど、好みや季節に合わせて選べるさまざまな甘味メニューに、スイーツ好きなら、思わず頬が緩みます。また、お店の雰囲気もとても印象的です。
昭和初期に建てられた建物がそのまま使われており、漆塗りのテーブル、椅子も現役。時代を思わせる貼りものや調度品を見ながら、つかのま、タイムスリップした気分を味わえます。
甘味処で発見した音楽の話題に興奮!
そして、壁の貼り物や飾り物を興味津々で眺めていた宇都宮さん、一枚のポスターに気付きます。それは、店主の高島さんご夫妻の娘さん高島みほさんが写るポスターでした。
「娘さんは、東京でジャズシンガー、舞台女優として活動されているんですね!! 「レ・ミゼラブル」や「ミス・サイゴン」、「マリー・アントワネット」にも出演されているとは……僕も同業ですので、東京でいつか娘さんにお会いできるかもしれません。
伝統のあわぜんにも感動しましたが、娘さんがシンガーで女優をされているのにも、不思議なご縁を感じます」と驚きを隠せない様子の宇都宮さん。
宇都宮さんは佐賀市の出身、「実際に口にすると、丁寧につくられているのがはっきりとわかります。和の甘味の繊細な味づくりに触れました。こんどは両親も連れて来たいです」と告げる宇都宮さんに、高島さんご夫婦は、「体が続く限り、この味を守っていきます」と優しい笑顔で送り出してくれました。
今回いただいた「あわぜん」のほか、「栗ぜんざい」640円や「冷し栗ぜんざい」630円、「ミルクセーキ」510円、「大納言」720円などの甘味も気になるところ。宇都宮さんに続いて、皆さんも色々なメニューを食べに行ってみませんか?
宇都宮さん実食メニュー
あわぜん 670円
甘味処 一平
住所 佐賀市白山1-2-20
電話 0952-25-0535
営業 11:30~17:30(OS)
店休 不定休