みなさん、はじめまして。谷口文章こと、文ちゃんじゃ。幕末から明治にかけての佐賀の歴史を研究している「SAGA賢人ラボ」の所長をしておる。最初は、どんな賢人がいたのか簡単に紹介しよう!

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鍋島直正(なべしまなおまさ)候

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佐賀藩第10代藩主。財政難だった当時の佐賀藩をわずか二十数年で立て直し、佐賀藩を当時の強い藩だった、薩摩・長州・土佐と肩を並べるまでに成長させた名君じゃ。「弘道館(こうどうかん)」という藩の学校で多くの人材を育て、蒸気船や日本最初の鉄製の大砲をつくるなど、見事な藩づくりと人づくりを行った優秀な殿様。佐賀市中心部にある佐嘉神社に祀られているので、是非足を運ばれよ。

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島義勇(しまよしたけ)

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まだ北海道が蝦夷地と呼ばれていたころ、北海道を開拓し、札幌の街の基礎を築いたのじゃ。「自分の命にかけても、世界に知られる大都市をつくろう」島義勇が居なければ、今の札幌はなかったと言っても過言ではない。また、明治天皇の侍従を務めるなど活躍するが、佐賀の役の際に故郷、佐賀が危機に陥ったとみるや、急ぎ佐賀に戻り新政府と戦った。善戦空しく戦に敗れ、53年の生涯を終えたのじゃ。

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佐野常民(さのつねたみ)

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鍋島直正公の覚えめでたく、32歳の若さで佐賀の理化学研究所である「精錬方」の主任に大抜擢され、国産初の蒸気機関車の模型作りを成功させるなど活躍。世界遺産となった三重津海軍所の監督を務め、蒸気船凌風丸を完成させたのも佐野常民なんじゃ。また、西南戦争の時、戦いで傷ついた人は、敵もみかたも区別なく助けないといけないと、博愛社をつくった。これが今の日本赤十字社なのだ。

副島種臣(そえじまたねおみ)

民間人初の外務卿、現在の外務大臣をつとめた。副島が外務卿を務めていたころ、横浜に停泊中のペルー船「マリアルス号」の中で奴隷同然の扱いを受けていた中国の人達231人を全員解放。このことが世界で注目され「正義の人」として評価されたんじゃ。書家としても有名で、副島種臣の芸術性の高い書は、今でも人気が高く、書道家の憧れの存在となっとるそうじゃ。

大木喬任(おおきたかとう)

江藤新平と共に、首都を京都から東京に移すことを当時の明治政府に勧め実現させた人物じゃ。民間人で初の東京府知事となり、東京の政治を任される。初代文部卿、現在の文部科学大臣をつとめ、すべての子どもに教育を受けさせることに力を尽くし、義務教育制度の基礎を築いたんじゃ。その後も司法卿を歴任するなど明治政府内で活躍。余談じゃが、大酒飲みでも有名だったんだ。

江藤新平(えとうしんぺい)

初代司法卿となり、日本の裁判制度や組織的な警察機構を整備。佐賀の役では、反乱軍の首謀者に仕立て上げられ、大した裁判を受けさせられないまま、刑場の露と消えたんじゃ。享年41歳。その死を悼み今でも毎年、命日の4月13日には慰霊祭が行われ、翌日の4月14日には佐賀市の神野公園の中にある銅像の前で江藤新平銅像祭りが開催されている。新平がいなかったら、明治のはじめはもっと混乱しただろう。時代を変えるすばらしい力をもった天才だったんじゃ。

大隈重信(おおくましげのぶ)

ご存知、早稲田大学を創設し、二度の内閣総理大臣を歴任した佐賀のスーパースター。藩校弘道館の学生時代には、激しい議論の末、学生寮を南北に分ける大乱闘事件を巻き起こし、退学処分となるなど暴れん坊の一面もあった。英語で激論を闘わすなど教育熱心で、残した功績の大きさは計り知れず、大隈重信が亡くなった際は国民葬が行われ、30万人が参列しその死を悼んだんじゃ。

枝吉神陽(えだよししんよう)

彼は尊王思想を掲げ、義歳同盟という組織を結成し、大隈重信、江藤新平、大木喬任、副島種臣、島義勇を思想的に育て上げた先生なんじゃ。枝吉神陽なくして、佐賀の賢人は語れん。このことから、枝吉神陽は「佐賀の吉田松陰」とも呼ばれておる。枝吉神陽が41歳の時、コレラに感染した妻を看病するうちに自らもコレラに感染し、この世を去ってしまった。早すぎる最後じゃったな。

どうじゃ!佐賀はすごか～ってわかったじゃろ。今回は、初心者むけの簡単な紹介じゃったが、次回からは、ディープな話を綴っていくからな。引き続き、読んでくれたらうれしかな。