佐賀ならではの時間や空間の楽しみ方など、通りいっぺんの観光では味わえない濃い深い情報満載です!  PR隊長のはなわさんや優木まおみさんがディープな佐賀へと誘います。

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vol.6

今号の研究テーマ

日本初の蒸気機関車をつくった男・佐野常民

 佐野常民を知らない人は、今やもういないのではないかな? というのも、明治日本の産業革命遺産に登録された三重津海軍所跡が着目されたことで、日本の近代化に貢献した佐野常民も自ずとクローズアップされ、名前を覚えた人も多いのではないだろうか。今回の賢人は、日本の産業発展の礎を築いた立役者 佐野常民について語ってみるとしよう。

知れば知るほど魅力的! 佐野常民の素晴らしい一面

 佐野常民といえば、佐賀に住む人にとっては、川副町にある佐野常民記念館で彼の功績を社会科見学で学習したりして、なんとなく分かっている人が多数いるだろう。そう、日本赤十字社の前身となる博愛社という組織をつくり、赤十字社の初代社長になったということで有名じゃよな。じゃが、やっぱり偉い人は何かが違うのう。調べれば調べるほど彼の魅力が浮かび上がってくるのじゃよ。
 例えば、江戸時代、幕末の漢方医 伊東玄朴の象先堂塾の塾頭に28歳でなったりしているんじゃ。塾頭というのは、ただただ成績優秀な生徒というだけでなく、みんなのまとめ役でもあるわけだから、人格も素晴らしくなくては選出されないのじゃ。全国から学生が集まる江戸の有名な塾のトップを務めるというのは、佐野の人柄がいかに魅力的で素晴らしかったかということの表れでもあるのじゃ。

精錬方の責任者に抜擢! 日本の近代化へ一直線!!

 佐野は31歳の時、佐賀藩の理化学研究所、まあ、これを当時は精錬方と言っておったらしいが、ここの世人者となり、色々な化学実験や新しいものを生み出すための研究開発を行っていた。なんといっても日本初の蒸気機関車の模型作りを成功させ、ついに1865年、国産初の実用蒸気船「凌風丸」を完成させた。佐野は、日本の鉄道や造船の発展に大きく寄与した重要な人物の一人なのである。

技術や科学の発展には「人」の求心力が不可欠!

 日本近代史の中でも大きな史実として名を馳せた佐野の業績は、本人の魅力があってこそ。理化学研究所で成果を出すには、理論だけでなくそれを形にする技術力が必要じゃ。そこで、佐野は京都で「からくり儀右衛門」と異名をとる田中久重親子ら4人の技術者をスカウトするんじゃ。当時、秘密主義を貫いていた佐賀藩にとって、よその藩の人間を招き入れるなんぞもっての他だったのじゃが、佐野は人間的魅力と責任感をもって周りを説き伏せ、蒸気機関車の模型、国産の蒸気船を完成させたのじゃ。
 
 いやー、知れば知るほどいいとこづくしの佐野常民。次なる回では、分け隔てなく人員救助を行う博愛の精神を説いた日本赤十字社と佐野について話していこうかのう。


佐野常民記念館


佐野常民記念館

<休館日>
月曜日(祝祭日の場合は翌日)、年末年始(12月29日から1月3日まで)、その他臨時日


●住所  佐賀県佐賀市川副町大字早津江津446-1
●アクセス
<バス>
JR佐賀駅バスセンターより佐賀市営バス早津江線にて40分、「佐野常民記念館入口」バス停下車、徒歩で6分
西鉄電車柳川駅より南筑交通沖新線にて30分、終点早津江バス停下車、徒歩で6分
<車>
長崎自動車道佐賀大和ICより車で40分
有明佐賀空港より車で10分
●問合先 
TEL: 0952-34-9455 FAX: 0952-34-9465
E-mail:tunetami@star.saganet.ne.jp

ラボ主任研究員

谷口文章

BUNSYO TANIGUCHI

PROFILE

えびすFMの市民パーソナリティとして「えびす街角ラジオ」(毎週土曜午前9時から生放送中)をピンキースカイと一緒に担当。番組のコーナー「佐賀の賢人さん」では、佐賀出身の賢人たちをわかりやすく紹介し人気上昇中!また、佐賀市のまちおこしとして佐賀の八賢人を演劇で紹介する「八賢人おもてなし隊」の島義勇役として活躍。毎週日曜、佐賀城本丸歴史館にて好評上演中!