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vol.8

今号の研究テーマ

湯めぐり美肌紀行 #5 古湯温泉 ”英龍温泉”

”英龍温泉” その名は、源泉の名前でもあり、この源泉を引いている温泉施設でもある。地域の交流スポットとしての機能も持ち併せる「なくてはならない存在」なのだ。地元客が代わる代わる訪れる温泉に入湯してみた。

英龍温泉は古湯の源泉の一つ

 古湯温泉街に入るとすぐに目に入る石畳の道路。手書きされた案内看板を頼りに角を曲がると英龍温泉に着く。英龍温泉は、富士町が有する源泉「英龍泉」と「徐福泉」を持ち、地域の人々は「英龍温泉」と呼んで昔からその湯に親しんできた。昭和43年4月1日より「古湯温泉館」として町営の温泉施設がスタートした。3年前、株式会社としてリニューアルした。


 「昭和40年代って高度成長期の真っ只中でしょう。当時の町営や公営の施設は、館とかセンターとかが付いていました。だからここも温泉館、温泉センターって付いてでしょ。今は、時代も変わりましたから、リニューアルに併せてかつての名前を付けました」と山口澄雄社長。山口さんは富士町出身で、古湯に住んで40年くらい。「生粋の古湯っこじゃなかとよ。同じ富士町でも、田舎の方から古湯の町に出てくるという感覚で、移り住んでくる人が多かったんですよ」 そう、かつての古湯は、富士町の中心地として、賑わいを見せていたのだ。

内湯に入浴! レトロな雰囲気にほっと安心感


 この日の入湯第一号として、女湯の暖簾をくぐる。誰もいない脱衣場にスタッフの女性が入ってきた。「源泉がぬるいので、温泉を沸かして口から出しています。1日に数回、お湯の温度をこの温度計で測っているんですよ。」
 まあ、なんてレトロ! 電子温度計ではない! こうして快適な温度で入浴できるよう配慮にほっこりとしてしまう。浴場の扉を開けると、昭和の世界が目に飛び込んできた。安心感に浸れる空間が広がっているのだ。この施設は英龍泉、徐福泉、二つの源泉を持つので、一度に二つ楽しめるという魅力がある。英龍泉は湧出温度29.3℃のぬるーいお湯。1日1000ml以内を食前に飲むのがいいとか。


 早速、手のひらに湯をためてを繰り返し、1000mlくらいを飲んだ。徐福泉は湧出温度39.5℃、どちらもアルカリ性単純泉。指定の口から出るお湯は飲用もできる。お湯を肌にまとい、体内にも行きわたらせることで、リラックス指数は瞬時にマックスに。ぬるっとした感触に肌は喜び、胃まで到達した温泉水で胃の中がじんわりと温まったよう。


 朝イチ一人風呂も束の間。営業開始と同時に常連のお客さんが訪れる。担よりずいぶんお姉さんに見える女性に声をかけてみた。「毎日来よるよ。風邪もひかんねー!近くにこがん温泉のあってよかろー」とはつらつとしたご様子。お肌のハリも素晴らしい。温泉に浸かるとあの美肌が手に入るのか! 
「英龍温泉は株式会社になりました。地元住民の方が株主さんになられています。株主さんは特典として120円の入浴料で温泉に入れますよ。それが株主特典といったところです」と山口社長。毎日入りに行けば、こんなにお得な株主優待もないかも! 古湯に移住する?と一瞬考えがよぎる。


古湯温泉株式会社 英龍温泉 代表取締役 山口澄雄さん


 古湯で唯一の日帰り温泉施設 英龍温泉は、地元の人々のサロン的なスポットとしての役割も果たしている。ここで色々な情報が飛び交い、SNSではない独自の伝達方法であっという間に情報が伝播する。田舎ならではの情報発信の謎は、解明されるまい。 入浴後に利用できる休憩所(4時間以上利用の方のみ)。隣接の食堂で注文したものをここで食べることもできる。


<英龍温泉>
住所 佐賀県佐賀市富士町古湯835
電話 0952-58-2135
営業 9時~21時
収容 部屋数 8室(宿泊も可)
料金 1泊2食 5800円(夕食のみ、朝食のみあり)
入浴料 4時間 350円、1日 500円
貸切湯 大 1000円(60分)+入浴料、小 500円(60分)+入浴料

SAGAMAGA編集長

さが酒&ぬる湯愛好家

庄島瑞恵

MIZUE SYOUJIMA

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