佐賀ならではの時間や空間の楽しみ方など、通りいっぺんの観光では味わえない濃い深い情報満載です! PR隊長のはなわさんや優木まおみさんがディープな佐賀へと誘います。
vol.13
今号の研究テーマ
扉を開けたらフロントとカフェスペースが。静かな時間が流れる
古湯温泉街の温泉宿の一つ、旅館山水は、3つのお風呂を貸切風呂として提供しているお宿。平日は、貸切風呂の日帰り入浴のみ営業、宿泊は金曜、土曜、日曜の3日間だけ対応している。中に入ると、フロント受付、奥にカフェスペースがあり、土日曜だけカフェタイムを楽しめるのだ。
3つの浴場は全て貸切り。プライベート感に浸りリラックス
お宿に入って右手に進むと「花みずき」「沙羅」「山ぼうし」という名前の3つのお風呂がある。どれもが貸切湯で、内観はどれぞれに趣向が凝らしてある。「花みずき」の湯は、二つの浴槽のうち、一つが源泉そのままの温度、もう一つが源泉を加温したちょっと熱めの温度に設定されている。源泉は古湯温泉の大きな特徴である「ぬる湯」を体感して、加温した湯に浸かり、交互浴を楽しむことができる。
一人で入るには十分すぎる広さがあるので、贅沢な気分を満喫しよう。「沙羅」は、石造りのお風呂で、床面も石。擦りガラスの窓の向こうに揺れる植物に、心癒される。「山ぼうし」は、木樽が浴槽になったお風呂で、木のぬくもりと優しい香りに包まれて、思わず居眠りしそうになる。どのお風呂も50分間の貸切なので、時間内は自分だけの空間。日常とは違う非日常の中で、のんびりゆったりした時間を過ごそう。
「沙羅」に入浴。ぬる湯に入っていると、時間を忘れてしまう…
3つのお風呂を見学した後、石造りの「沙羅」に入浴することに。一般の日帰り入浴で、たまたま貸切状態になるのと、最初から最後まで、自分だけしか入湯できないという特別感はやはり、気持ちの入り方が違う! 脱衣カゴは複数あっても使うのは一人。生まれたままの姿になって、写真をパシャパシャ撮ることもできる(笑)
浴場に入ると、立ち込める湯気にたちまちレンズが曇ったので、脱衣場にカメラを避難させた。石風呂の縁から溢れる湯の中に入ると、さらに湯が溢れ出る。奥に行き座ってみると、肩がすっぽりと湯に浸かるくらいの深さだった。深呼吸をすると湯けむりで喉がしっとり潤されているのが分かる。目線の先には、窓から優しい光が差し込んでくる。
目を閉じると、湯出し口から出てくる湯の音しか聞こえない。こんな贅沢な時間、これまでほとんど過ごしていなかったなー。体内の骨組みがぐにゃりとやわらかく溶けていくみたいな感覚。日頃カチコチに固まっている体がほぐされていく。なんともいえない贅沢な時間だった。たまーにこんなご褒美を自分にあげたい。明日から頑張れそうな気がする。
自分だけのために。家族との時間に。
いつも入るお風呂とは確かに違う。だからこそ、癒され度も増して、リラックスできるのが温泉、そして、貸切風呂なのかもしれない。貸切風呂ゆえの特別感が気持ちを高揚させてくれるので、「休んだなー」という感じがする。一人の時間を満喫したい人は、一人利用で、家族との時間をより濃いものにしたなら、家族で、思い思いのオフを過ごしてほしい。
<山水>
住所:佐賀市富士町古湯877-1
電話:0952-58-2131
源泉:鶴霊泉
泉質:アルカリ性単純温泉
泉温:37.2度
適応症(浴用):慢性リウマチ、慢性筋肉リウマチ、神経痛、神経炎、骨及関節などの運動器障害など
適用症(飲用):神経衰弱の興奮型、ヒステリーの興奮型、脳溢血後の半身不随、不眠症、小児麻痺など
<入浴データ>
営業時間:10:00~19:00
料金:(大人3名までの料金)
●石風呂から庭が見える「沙羅」2300円(50分)
●樽風呂でのんびりと「山ぼうし」2800円(50分)
●ぬるめと温かめの二つの石風呂「花みずき」3300円(50分)
<宿泊データ>
(宿泊は金土日曜のみ)
1泊朝食付き 7560円(入湯税別)
1泊2食付き 11,340円(入湯別)
SAGAMAGA編集長
さが酒&ぬる湯愛好家
庄島瑞恵
MIZUE SYOUJIMA
PROFILE
vol.1
「ぬる湯」のまち 佐賀vol.3
湯めぐり美肌紀行 #1 ”旅館 大和屋”vol.5
湯めぐり美肌紀行 #2 ”お宿 夢千鳥”vol.6
湯めぐり美肌紀行 #3 ”旅館 扇屋”vol.7
湯めぐり美肌紀行 #4 ”旅館 千曲荘”vol.8
湯めぐり美肌紀行 #5 古湯温泉 ”英龍温泉”vol.9
湯めぐり美肌紀行 ♯6 三瀬温泉”やまびこの湯”vol.10
湯めぐり美肌紀行 ♯7 古湯温泉 ”鶴霊泉”vol.11
湯めぐり美肌紀行 ♯8 元湯 熊ノ川浴場vol.12
湯めぐり美肌紀行♯9 古湯温泉 ”杉乃家” 見晴らしの湯vol.13
湯めぐり美肌紀行♯10 古湯温泉 ”山水”