佐賀ならではの時間や空間の楽しみ方など、通りいっぺんの観光では味わえない濃い深い情報満載です! PR隊長のはなわさんや優木まおみさんがディープな佐賀へと誘います。
vol.2
今号の研究テーマ
ワクワク、ソワソワ。
酒好きにとっての3月の愉しみは、新酒を求めて各地で開催される蔵開きに出かけることだろう。
佐賀市内には、窓の梅酒造(久保田町)、大和酒造(大和町)の二軒の酒蔵があり、窓の梅酒造では、毎年第2土曜に蔵開きが開催されている。今回は、その模様をレポートする。
窓の梅酒造は、創業元禄元年の醸造している酒蔵としては、県内で最も古い蔵として知られている。蔵がある佐賀市久保田町は、有明海に面した平野が多い町で、南北に長く、北部は長崎街道の道筋として、南部は干拓で陸地をつくり、農業や漁業が盛んな地域である。蔵は、有明海に通じる嘉瀬川の下流域、穏やかに流れる川の土手のすぐ下に位置する。春には、土手を菜の花が黄色に覆いつくし、走行中、車道からも眺めることができる。あいにく、今年は、寒気が戻りいつもの満開とまではいかなかったが、ポツリポツリと春を運んでいた。
蔵開きは、今年で10回を数える。通常は、酒にちなんだ試飲や販売のみを行うところだが、こちらの蔵開きは個性満載。酒蔵で猿回しのショーが観覧できるのだ。今年は申年、「モンキーパフォーマンスショー」と称して開催されたショーでは、お猿が見えないほどの人だかりで、子どもから大人まで多くの人を喜ばせていた。
蔵開きの目玉は、「蔵開き限定生原酒」の販売で、タンクから直接瓶詰めされた搾りたてのお酒が販売されていた。他にも、町内の悠久太鼓披露やオリジナルラベル制作ブース、食品販売が行われており、飲まない人でも楽しめる内容で、お祭りのような賑わいだった。中でも、お酒を買う行列と同じくらいの列をなしていたのが、地元江越蒲鉾店による、すり身天の実演販売。1枚50円というなんとも良心的な価格で揚げたてが手に入るとあって、「10枚ちょうだい!」「私は8枚」と大量に求める人の多いこと! これを持ち帰るのではなく、フーフーいいながら蔵で食べ、買った酒を飲むという光景があちらこちらで見られた。
こちらの蔵は、久保田駅からも遠く、交通アクセスとしてはちと不便。ハンドルキーパー様の協力が必要になる。そんなハンドルキーパーには、受付で、ハンドルキーパーという旨を伝えると、コーヒーの名店「いづみやコーヒー」の引換券がプレゼントされる。飲まない人にも気づかいを忘れないのが心ニクイ。飲んでも飲まなくても楽しめる「酒蔵開き」。まだ未体験の方は、ぜひ、遊びに行ってみてはいかがだろう。
SAGAMAGA編集長
さが酒&ぬる湯愛好家
庄島瑞恵
MIZUE SYOUJIMA
PROFILE
vol.1
さが酒は“日本一旨みのある酒”であーる!!vol.2
佐賀の酒蔵 蔵開きvol.4
オンナの酒場呑みある記 #1 のこ さがん酒処vol.5
オンナの酒場呑みある記 #2 旬の蔵 パセリvol.6
酒ムリエコンテスト レポート!vol.7
オンナの酒場呑みある記 #3 ふるかわvol.8
オンナ酒場放浪記 #4 伝庵vol.9
オンナの酒場放浪記 #4 禄