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vol.3

今号の研究テーマ

佐賀で最後の蔵開き~大和酒造・蔵開き酒飲みレポート~

酒どころ佐賀の春到来を告げる「酒蔵開き」の開催。2月初旬の嬉野の酒蔵を皮切りに、一番最後に開催される酒蔵開きは、佐賀市の大和酒造である。

 4月17日(日)、大和町にある大和酒造で、「第二回春の蔵開き」が開催された。大和酒造は、窓の月酒造、あかかべ酒造、森田酒造、北島酒造場の4社が合併し、1975年に大和酒造として創業した。2014年には、蓮池町の田中酒造を事業統合した。県内でも最大級の出荷量を誇り、ここ2~3年で海外への輸出も増えてきた。これまで蔵開きを開催したことはなかったが、2014年9月に、試飲・販売や商談ができるギャラリーを新設したことを機に、翌年4月、初めての蔵開きを開催するにいたった。


 蔵開きというと、「酒」を好む人だけのイベントのように思われるが、イベント的要素も濃く、飲まなくても、子どもでも楽しめるような内容を盛り込む蔵開きが多い。こちらの蔵開きも例にもれず、新酒や限定酒の試飲・直売をはじめ、アーティスト冨永ボンドさんによるボンドアートの体験や、地元の特産品販売などが行われ、多くの来訪客でにぎわっていた。

 敷地内には、飲み比べセットや購入した酒をその場で呑めるようにテーブル・椅子が設置され、併せて牛肉コロッケやかしわ飯、ウインナーなど酒のアテと共に楽しむ人が休日の昼間飲みの贅沢を味わっていた。受付で100円払うと、特製利き猪口をもらい、限定の生酒や、ギャラリー内のおすすめ酒を試飲でき、また、300円で純米大吟醸や蔵開き限定の酒などの3種飲み比べセットも販売されていた。店頭には出回らない酒を飲める特別感が、来訪客の心を掴み、「来てよかった」と会場中が笑顔であふれていた。


 蔵の一角では、木工用ボンドを使って画を描くアーティスト冨永ボンドさんが来場し、ボードに絵の具とボンドを使って自由に描く体験イベントが開催されていた。世界に一つだけのボードアート作品が完成し、それぞれがアーティスト気分を満喫していた。
 もはや、蔵開きは、酒飲みだけのイベントではない。酒蔵が消費者に「新酒ができましたよ」というお知らせをすると共に、地元の人々への感謝の気持ちが込められているような気がする。佐賀の蔵開きは、これにておしまい。来年の蔵開きを楽しみに、飲むことに専念するとしよう。

SAGAMAGA編集長

さが酒&ぬる湯愛好家

庄島瑞恵

MIZUE SYOUJIMA

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