佐賀ならではの時間や空間の楽しみ方など、通りいっぺんの観光では味わえない濃い深い情報満載です!  PR隊長のはなわさんや優木まおみさんがディープな佐賀へと誘います。

SAGA MAGA

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vol.4

今号の研究テーマ

オンナの酒場呑みある記 #1 のこ さがん酒処

さが酒とおでんを中心とした酒肴
そして、女将の眼差しにノックダウン

 自腹というのは、自分の腹、すなわち自分の持ち金を使うことである。ゆえに、あれもこれも、と頼みたいものを口にしていたら、あっという間に残金が減っていく。そこで、担当者自身が「お客」となってお店のメニューを選び、リアルな感覚を失わないようにレポートしていく飲み歩きを敢行することにした。一人飲みするときの平均価格帯1500円~2500円(庄島調べ)を目安に、佐賀市内のあちらこちら、お酒の薫りのする店を渡り歩く。あくまでも、これは取材の一環である(いちおう、断りを言っておく)



 佐賀駅の南口から佐賀県庁まで続く中央大通り、土橋交差点を右折して約50メートルほど行くと、左手に「のこ」がある。入口が類似している飲食店と一瞬間違えそうになるが、店先に酒瓶が並んでいるので、迷わず入ろう。この日は、汗ばむほどの陽気で、冷酒が恋しい日だった。開店と同時に入店。「いらっしゃ~い」艶っぽい声。そして、しばらく目の保養。店主の坂元法子さんの「うつくしさ」に釘づけになるのだ。女性から見ても「こういうフォルムになりたい」とあこがれるような美人女将に迎えられたら、オンタイムのストレスが一気に吹き飛ぶ。


 のこ さがん酒処は、平成26年にオープン。もともと佐賀駅そばでおでん屋を営んでいた女将が、ある時、運命の出会いをしたのがきっかけだった。「鹿島の花と酒まつりに行って、鍋島の生原酒を呑んだ時、その美味しさに感動してしまいました」。佐賀の酒の美味しさに心動かされた女将は、佐賀酒に特化したお店を出したいと一念発起、おでん屋を畳み、「さが酒処のこ」をオープンさせたのだ。店内はカウンター席と2人用のテーブル2卓、4人がけ1卓、がんばれば6人が座れるテーブルと、一目で見渡せるくらいの広さ。カウンター内で酒の準備や料理をつくる女将との会話は、どの席でもできる。

 一人飲みにうってつけのメニューは、「利き酒セット」1200円。日本酒3種におでん3種でこのお値段。値ごろ感があって、お得に利き酒ができるので人気メニューとなっている。単品は純米酒90ml400円、180ml750円。純米吟醸は90ml450円、180ml800円。佐賀県内の色々な日本酒が揃い、冷蔵庫には上から下までぎっしり。季節によってラインナップが変わるので、行くたびに飽きない楽しみがある。


 この日選んだ酒は、光武吟醸あさがおボトル、天山夏吟、古伊万里すみやま生原酒の3種類。他にも気になるお酒がわんさとあったが、3種でほろ酔いになるくらいの量はある。(個人差あり)。酒肴は名物おでんをはじめ、赤鶏のたたき、サバの白ワイン漬焼、揚げ出し茄子など、20種類以上。サバの漬焼は、脂が乗ったサバの半身を白ワインに漬け込んで焼いたもの。腹具合に合わせて、ボリュームを調整できるのがいい。佐賀を知るには「魚ロッケ」なる練り物も佐賀話が盛り上がるらしい。


 佐賀酒にほれ込んで店まで立ち上げてしまった女将の熱き思いには脱帽する。時間帯によっては、「あーらいらっしゃい」とトロンとした目でお酒を嗜んでいる女将に会えるかもしれない。これも酒への愛情ゆえ。地元客同士でも、県外客を連れて行くにも自慢できるような店があることは、酒民にとってはうれしい限りである。


●のこ さがん酒処
住 所  佐賀市白山1-2-6
連絡先  0952-23-2888
営業時間 18:00-24:00(O.S23:30)
店休日  日曜

★本日の飲み歩き代 2150円ナリ
・小鉢250円(着席したら出てくる)
・利き酒セット 1200円
・おでん3種 呑み比べ酒3種(大吟醸以外)
・鯖の白ワイン漬け焼き 700円

SAGAMAGA編集長

さが酒&ぬる湯愛好家

庄島瑞恵

MIZUE SYOUJIMA

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