佐賀ならではの時間や空間の楽しみ方など、通りいっぺんの観光では味わえない濃い深い情報満載です! PR隊長のはなわさんや優木まおみさんがディープな佐賀へと誘います。
vol.8
今号の研究テーマ
二軒目、三軒目で行きたくなる店、それが「傳庵」
一人でこの店を訪ねるのは久しぶりである。佐賀市大財にある「傳庵」は、昨年11月までは「伝酒庵」という名前で営業をしていた酒どころ。彷徨い人の避難所、もとい、酒酔い人の拠り所、伝酒庵の店長ナベさんこと渡邊さんがオーナーに。心機一転、会社員として任されていた伝酒庵の名前を「傳庵」(でんあん)と改名し、一歩を踏み出した。
心機一転オープンの前までは、午後10時目安で開店していたが、ナベさんが独立してからは、午後8時30分オープンになって、昔からの常連客はかなり喜んでいる。開店まで待てずに帰途についたり、別の店に行ったりしていた酒徒もいたからね…。
あったかな灯りに包まれてさらに酔いは加速する…
店内は旅館の入り口だったところを活用して、昔の旅籠の雰囲気を醸している。土間には店主ナベさんが見渡すカウンターと囲炉裏が置かれている。5帖ほどの畳敷きの小上がりにも囲炉裏が。オブジェとしても十分な存在感だが、酒の肴を炙ったり、焼いたりするときにも使い、もちろん寒い時期はここで暖をとりながら談笑、なんてダジャレを言ってみたりする。
初めてでも大丈夫、店主が酒の世界を魅力的に語ってくれるから
佐賀の繁華街の通りにあり、外からのパッと見は、一般的には敷居が高そうに見えるのも分かる。しかし、佐賀の酒を楽しむ店を探しているなら、この暖簾をくぐってみてほしい。和服姿の店主が「いらっしゃいませ」と穏やかに迎えてくれるから。そこには既に、先客がいるかもしれない。そしたら、先客の動きを真似てみるのもいい。酒肴を囲炉裏で焼いている? 「マスター、今日は何がある?」なんて聞いている? 初めてだと分かったら、まず店主が放っておくことはない。メニューがないから聞くしかない。好きなタイプのお酒のことなど相談して、合う酒を出してもらおう。
佐賀の酒、焼酎、梅酒、と多様に揃う
佐賀の酒は、万齢、能古見、窓乃梅の文左衛門、東一、天吹、天山の岩の蔵など、佐賀の有名どころの酒がセレクトされている。季節によってラインナップは変わるので、ナベさんに飲みたい好みを伝えてオススメを飲んでみるのも初心者にはいいかも。日本酒の他、焼酎や梅酒もある。ワタシは、日本酒党だから、日本酒を飲んだ。最初に選んだ「天吹酒造 大吟醸 冬色」は、地元向けの大吟醸で、米と良く溶けて旨みがとても心地よい。湯葉あげの鍋で取り上げる湯葉とも合う。「光武 純米吟醸 無濾過生原酒」は、スッキリ、スパッと潔い飲み口。タイプ違いのお酒を堪能できた。
まだ、傳庵を知らない方へもう一度言いたい。この店へは、2軒目、3軒目に行くことをおすすめする。酔いの続きを心地よくかつ「非日常」な空間に包まれて、一日の終わりを素晴らしいものにできるだろう。
<伝庵>
http://urx.nu/3Spl
所在地:佐賀市大財1-1-6
定休日:日曜(月曜が祝日の場合月曜)
駐車場:なし
料金:チャージ 200円/1時間
収容人数:3席
TEL:0952-22-2899
<今夜の飲み歩き代>
チャージ 500円
天吹大吟醸 冬色 700円
光武 純米吟醸 無濾過生原酒 400円
湯葉あげ 1人あたり200円(2人前より注文可)
※取材時は他のお客さんとシェア
計 1,800円
SAGAMAGA編集長
さが酒&ぬる湯愛好家
庄島瑞恵
MIZUE SYOUJIMA
PROFILE
vol.1
さが酒は“日本一旨みのある酒”であーる!!vol.2
佐賀の酒蔵 蔵開きvol.4
オンナの酒場呑みある記 #1 のこ さがん酒処vol.5
オンナの酒場呑みある記 #2 旬の蔵 パセリvol.6
酒ムリエコンテスト レポート!vol.7
オンナの酒場呑みある記 #3 ふるかわvol.8
オンナ酒場放浪記 #4 伝庵vol.9
オンナの酒場放浪記 #4 禄