佐賀ならではの時間や空間の楽しみ方など、通りいっぺんの観光では味わえない濃い深い情報満載です! PR隊長のはなわさんや優木まおみさんがディープな佐賀へと誘います。
vol.3
今号の研究テーマ
平成28年4月29日に、JR西日本が建設を進めてきた新しい鉄道の博物館「京都鉄道博物館」が、オープンしました。私たち、さが鉄道研究会メンバー3人で、オープンの次の日、30日に、この京都鉄道博物館に、早速見学に行きましたので、ご紹介しましょう。なぜ研究会有志が勇んでオープン2日目に博物館に出かけたかというと、佐賀が全国に誇る偉人のことも博物館内で紹介されているからでした。
京都鉄道博物館は、2014年4月に閉館した大阪市港区の交通科学博物館の施設が老朽化したことなどを受けて計画され、2015年8月に閉館した梅小路蒸気機関車館を拡張する形で整備されました。扇形車庫や転車台、旧二条駅舎などがある敷地の西側を中心に、エントランスホールやプロムナード、トワイライトプラザなどが新設されています。駅のプラットホームをイメージしたデザインでまとめられています。佐賀の偉大なる賢人の一人、大隈重信候は日本の鉄道黎明期に関わった人として、明治政府の中で全国の鉄道建設に尽力された人として大きく紹介されています。
大隈候は、アメリカが幕府と結んだ契約書を盾に、日本の鉄道建設に乗り出そうとしているのを、契約書を「無効」とし、アメリカの進出を断固拒否したといわれています。この時の主張がなかったら、日本の鉄道史は大きく変わっていたかもしれません。また、新橋横浜間の鉄道敷設で、土地がないと言う意見に対し「それでは海を埋め立てて鉄道敷設をしよう」あるいは「日本の国土が狭いので、広軌でなく狭軌で全国の鉄道をできるだけ早く張り巡らせよう」と言ったといわれています。実際にそのように全国に広がったことは言うまでもありません。
このように、大隈候は日本の鉄道発展にはなくてはならない人物でした。日本の鉄道の原点を作ったのが、我らが佐賀の偉大な大隈重信候であることを、もっと佐賀の皆さんは誇りに思うべきですね!
さらに佐賀の賢人がもう一人、鍋島直正公が紹介されています。博物館には、鉄道の歴史や仕組みなどを紹介する展示も設けられていますが、ここでなんと!日本の鉄道の歴史紹介の中で、しっかりと日本初の佐賀藩の蒸気機関車模型走行模様を紹介してあるのを発見しました。感動です!1853年にロシアのプチャーチンが長崎に来航した際に、直正公は藩士を現地に派遣しました。蒸気機関車の情報を得、藩の精錬方に命じて同様の模型を製作させ、試運転を行ったと大きく紹介されています。まさしく「日本の鉄道の歴史は佐賀から始まった」といっても過言ではないのです!
この京都鉄道博物館の大きな特徴は、なんといっても国内最大という全体で53両の実物車両を収蔵していること。初代新幹線0系電車、湘南電車の発祥でオレンジとグリーンのツートンカラーが印象的な80系、昼夜を問わず走れる電車寝台特急583系電車、初めて300km/h運転を実現し「ギネス世界記録」に掲載された新幹線500系電車などの鉄道車両が設置されています。これらは間近に見ることができ、実際にホームに立った気分になることができます。
本館の東側に隣接するトワイライトプラザには、大阪~札幌間で運行されていた臨時寝台特急『トワイライトエクスプレス』用の電気機関車や客車など6両が設置されています。旧・梅小路蒸気機関車館の扇形車庫では、引き続き動態・静態の蒸気機関車20両を展示されます。転車台の南側には、蒸気機関車の検査・修繕を専門に行うSL第2検修庫が、梅小路運転区の施設として整備され、本館2階から連絡デッキが検修庫まで伸びており、ここから蒸気機関車の検査・修繕作業が見学できるようになっています。
レストランなどの休憩施設や鉄道模型の大型ジオラマ、指定券類の発券を体験できる模擬端末や運転シミュレーターなど体験型の展示も充実しています。20系客車のナシ20形食堂車では、弁当や軽食メニューの販売も行われており、私たちも、SL弁当やアイスなどを食べ、旅気分を満喫することができました。味も最高でしたよ。
初代の0系や、500系などの新幹線、大阪と札幌を結んだ寝台特急「トワイライトエクスプレス」の展望スイート車両や食堂車、個性的な顔から「ブルドッグ」とも呼ばれるキハ81系、国鉄最大の蒸気機関車C62形「シロクニ」などが、間近に近寄れる形で展示されていますので、みんなで、鉄道の魅力に酔いしれた一日でした。
また、「運転シミュレータ」「鉄道ジオラマ」のほか、本物の蒸気機関車を使った列車「SLスチーム号」に乗車できること、隣接の梅小路運転区で蒸気機関車が整備される風景を見学可能なのが大きな特徴です。「京都鉄道博物館」には、乗務員らが宿舎で仮眠する際に使用する「秘密兵器」も展示されています。起きる時間が異なるため、音を出して目覚ましにするわけにはいきません。そこで、寝るときに身体の下へ風船状のものを入れ、これが時間になったら膨らむことで目を覚まさせる、という装置が使われており、それが展示されています。
JR西日本の発表によれば、4月29日は開館前から行列ができ、多くの来館者で終日にぎわいを見せ、来館者数は約1万4,300人だったそうです。京都鉄道博物館の前売入館券は、セブン-イレブンの「セブンチケット」やJR西日本のおもな駅のみどりの窓口でも購入できます。
皆さんも、この機会に京都鉄道博物館に行かれてみてはいかがでしょうか。鉄道の歴史の中に、佐賀を発見するととっても嬉しくなりますし、周辺は梅小路公園になっており、京都水族館もあるので、ご家族皆さんで一日楽しめること間違いないですよ!
●京都鉄道博物館のHPはこちらです。
http://www.kyotorailwaymuseum.jp/
●入館料金:一般1,200円、大学生・高校生1,000円、中学生・小学生500円、幼児(3歳以上)200円
ラボ研究団体
さが鉄道研究会
PROFILE
「さが鉄道研究会」(古賀宏会長)は、鉄道が大好きな人が集う会で、会員数は佐賀を中心に全国に30人ほど。会則はなし。資格は鉄道・列車が大好きな人。現在「えびすFM」で毎週水曜午後8時から、研究会員自らがパーソナリティを務める番組「鉄ちゃんで行こう」を担当している。当番組では、佐賀の鉄道の歴史や文化、鉄道の魅力、楽しみ方など旅の情報を発信している。研究会では、定期的に鉄道に関する主催行事も開催している。
vol.1
筑後川昇開橋と国鉄佐賀線vol.2
わたしは「D51型206号蒸気機関車」vol.3
日本の鉄道の歴史は佐賀から始まった?!vol.5
佐賀市内に馬鉄と路面電車が走っていた!!vol.8
バルーンさが駅と佐賀駅コンコース改装vol.10
鉄道模型の聖地「モデラーズ松永」さん!