佐賀ならではの時間や空間の楽しみ方など、通りいっぺんの観光では味わえない濃い深い情報満載です! PR隊長のはなわさんや優木まおみさんがディープな佐賀へと誘います。
vol.8
今号の研究テーマ
原料はもち米と麦芽水飴
佐賀市金立町にある「元祖徳永飴総本舗」は、創業200年を超える老舗。もち米を原料に麦芽と水でできた水飴を、八代目の手による職人の技で丁寧に練り上げられるあめがた。最初は色づいたあめが、空気に触れて何度も延ばし作業を繰り返すことで、光沢をもった白に変わっていく。成形して時間を置くと、固まっていく。完成形を見ると、幼少時代、おやつに食べたあめがたが蘇ってくる。その記憶と共に、口の中に優しい甘さが広がるような感覚を覚える。
妊婦さんや女性にやさしいあめがた
小さい頃、あめがたは、おやつの一つとして食べていた。長方形の板状のあめがたを持ち、テーブルの角に当てて「パキンッ」と割って食べるその食べ方は子どもながらに楽しみがあり、当て方によって、サイズも違い、口いっぱいに頬張ってしばらく喋られないこともあった。その頃は、ただただ美味しいと思って食べていたあめがたには、素晴らしいいわれがあるのだ。
「あめがたは、母乳が出やすくなるという声があり、産前産後の栄養補給として昔から長用されてきたんですよ。産後見舞いにあめがたを贈る風習もあったんです。最近、お母さんが娘の乳の出がよくなるようにと購入される方がいらっしゃいます」八代目の江口輝海さん。。
あめとして食べる以外にも美味しい食べ方が!
甘いものが欲しい時に、パキンッと割って食べるのは王道の食べ方。実はそれ以外に料理の甘味づけとして使うこともできる。煮物や佃煮、ジャムなどにも、砂糖の代わりにあめがたを使うと、まろやかな甘さに仕上がり、くどくならない。あめがたを常備して冷蔵庫に入れておくことをおすすめする。
伝統の味を後世まで。
代々に渡り職人技で仕上げるあめがたは、原料がシンプルなだけに、つくり手の「手」が大きく左右するごまかしのきかない製品。
温度や湿度で細かい調整が必要で、難しく手もかかる。かつては60数軒あった店も数えるほどになり、あめがた職人も徳永さん以外ほとんどいなくなった。
「ただ作ればいいってもんじゃないからね。お客さんを裏切らない味を守っていくことが大事なんです」と江口さん。その言葉からは、伝統を一身に背負う責任の重さが伝わってきた。未来を担う息子の勲さんは、店の後継だけでなく、佐賀の伝統菓子の継承者という役割も担っていくことになる。市民として、消費者として、見守っていきたい。
<元祖徳永飴総本舗> 創業200有余年の歴史を誇り、遠く江戸後期より家伝として受け継がれた製法を頑なに守り続ける”あめがた”専門店です。「徳永飴」は砂糖や添加物を使わない、100%ナチュラルフーズで体に優しい自然派食品です。かつてはお菓子というより滋養食とされ、妊産婦や健康志向の方にお薦めです。
<飴がた>
もち米と水飴を主原料とするシンプルなお菓子「あめがた」は、いまでいう健康食品です。ビタミン類やミネラルなど、滋養に良い成分を含んでおり、飴形節供(4月8日)という名称があったほどです。産後の母乳の出が良いとのいわれから「乳飴」との別名もあり、祝いの菓子として重宝されたほか、添加物を一切使わない、素朴でひたむきな製法がその人気の秘密のようです。
<麦芽糖>
麦芽糖の名前の由来は、発芽させた大麦に熱を加えて、デンプンを糖化されたものの中に麦芽糖が多く含まれるからです。現在は、トウモロコシやじゃがいものデンプンなどから作られていて、ビール作りや水飴の原料として使用されています。(甘くても砂糖ではありません。砂糖(ショ糖)はブドウ糖と果糖が結合したもの、対して、麦芽糖はブドウ糖が二つ結合したもなの)
「http://imoame.com/omonatousitu/marutosu.html」より引用
うまかもんラボ研究員
SAGAMAGA編集長
庄島瑞恵
PROFILE
vol.4
佐賀んもんにとってのサブリナとは?vol.5
佐賀 諸富 ”夏のキラキラ”vol.6
”八千代に幸多かれ” 佐賀の「千代結び」vol.8
お砂糖使ってないのに甘~い?お菓子?「あめがた」vol.9
米どころ佐賀にして「白玉饅頭」あり