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vol.10

今号の研究テーマ

伝統そのままに…「丸房露のためのアイスクリーム」食べてみた。

 佐賀市で370年以上の歴史を積み重ねてきた老舗「鶴屋」の代表銘菓は「丸房露」。1639年に創業、二代目が南蛮菓子の製法を学んで佐賀に持ち帰り、まるぼうろをつくったという。代々、伝統を守ってきた鶴屋では、この夏に合わせて、画期的な商品を生み出した。名付けて「丸房露のためのアイスクリーム」。なんじゃ、そりゃ! 

 丸ぼうろを食べ慣れている佐賀市民にとっても、このニュースは各媒体やSNSでパッと広がった。今回のシュガーロードラボは、歴史を繋ぐ新スイーツ「丸房露のためのアイスクリーム」を紹介しよう。


與賀神社(佐賀市与賀町)


創業370年以上。伝統に敬意を表し、未来を切りひらく


 鶴屋本店は、佐賀市与賀神社の参道沿いにある。創業当時は現在の佐賀市白山あたりに店舗を構えていたが、約200年前、与賀神社の参道沿い二の鳥居の目の前に店舗を移転して現在にいたる。昔の参道沿いは、今と違い人の往来が多く、賑わいをみせていたそうで、人出を求めて場所を移したとか。「丸房露のためのアイスクリーム」の企画を担当した製造部長の堤和博さんは、現当主14代を支え、次代を担う重要な存在。2011年に佐賀に戻り、営業部長のほか、菓子の製造、そしてこの商品開発では広報も担当している。



歴史ある丸房露はそのままに。丸房露に合うパートナーをつくろう


 店の将来を支えるような商品企画ができないものかと、佐賀県の土産品をつくるプロジェクトに手を挙げて、専門家の協力を仰ぎながら一から商品企画をしていった。


製造部長の堤一博さん

 堤営業部長は「うちは、元祖まるぼうろとしての強みを活かしきれていないという思いが常々ありました。だからといって、まるぼうろにフレーバーを加えたような商品は作りたくなかったんです」と言うように、代々伝わるまるぼうろそのものは変えたくないという強い思いがあった。それが、まるぼうろを引き立てるための「何か」を作ってみようという発想に至った。


丸房露に合うアイスを作るべく、極上の素材と出合う


 丸房露と乳製品との相性が良いことから、丸房露と共に食べるためのアイスクリームをつくることに。素材選びでこだわったのは「佐賀産」のものでつくること。佐賀県産のみかん蜜、唐津のミルクプラントで製造された牛乳と、つくりにまでこだわった珠玉の素材をみつけることができた。試作を重ねてできたアイスは、シンプルなパッケージで、品質の良さがじわじわと伝わるようなデザインに仕上がっている。


丸芳露にアイスクリームをディップしてみる。ディップして一口、ディップして一口と繰り返しても、アイスクリームはなくならないので、残りは、二枚目にとっておくか、アイスだけ食べてしまうか、食べ方はご自由に。

丸芳露を二等分し、アイスクリームを間に挟んで食べる。甘味をしっかりと食べたい人には、この食べ方が向くと思う。丸芳露の生地を噛んだ後に、アイスの冷たさが伝わり、二度おいしい気分に。


アイスが完成! 挟む? つける? 自由な食べ方で


 編集部も実食! 丸房露にディップして普通に食べる、二つに割って、アイスを挟んで食べる、二種類のの食べ方で試してみた。もちろん、アイスクリーム単品でも。アイス、丸房露と口の中で感触が変わり、アイスからくる甘さと丸房露からくる甘さが溶け合う。「私はディップ!」「私はサンド」と好みが分かれるのは、食べ応えの違いか。ディップの場合は、トーストにバターを塗る感覚でパクパクといけるが、サンドにしたら、丸房露二枚分の厚みの中にアイスがピタリと挟まっているので、食べ応えがあり、お腹が満たされる感覚がある。私は、食べ応えのあるサンドに一票いれた方だ(笑)

 アイスクリームだけを食べると、やさしい蜂蜜の甘さ、ミルクの上品な香りが存分に楽しめる。単品で楽しむのもアリ。伝統の佐賀の菓子に新しい風を吹かせた「丸房露のためのアイスクリーム」は、シュガーロードの歴史を未来に繋ぐニュースーツと呼べるだろう。シュガーロードから目が離せない。



鶴屋菓子舗
佐賀県佐賀市西魚町1
電話 0952-22-2314
営業 9:00~19:00
休み 元日のみ

☆丸芳露のためのアイスクリーム 1個270円
通信販売可
http://www.marubouro.co.jp/

うまかもんラボ研究員

SAGAMAGA編集長

庄島瑞恵

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