佐賀ならではの時間や空間の楽しみ方など、通りいっぺんの観光では味わえない濃い深い情報満載です!  PR隊長のはなわさんや優木まおみさんがディープな佐賀へと誘います。

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 佐賀の海苔は、販売額・販売枚数、ともに14年連続で日本一(累計の販売枚数は16億6931万枚で、販売金額は史上2番目の244億6548万円)の記録を更新中。佐賀の誇りともいえる大切な有明海の宝物です。地元に住む私たちにとって、日本一の高値をつける最高級海苔は滅多に口に入ることはないにしても、海苔の季節になると、家に佐賀産の海苔があるのが当たり前のような環境で過ごしています。それは、お店で買ったり、いただきものをしたりと、家族の数におおよそ合わないような枚数が家にあることも…。
 海苔の里・佐賀だからこそ、おいしく海苔を食べることにはこだわりがあります。今回は、海苔のスペシャリスト、川副町の海苔漁師、川崎賢朗さんに、おいしい海苔の見分け方、海苔をおいしく食べる方法、保存法について教えてもらいました。


全形1枚分の量に分けられた海苔は、「みす」の上ですかれて、乾燥させます。

●美味しい海苔って?
 海苔は黒けりゃいいの? ありません。一般には、漆黒ではなく、濃い深緑をしていて、艶やかな光沢があって、磯を思わせる芳しい香りを持つ海苔が、良い海苔と言われています。
 海苔の季節が始まって、海苔網から一番最初に摘み取った海苔のことを「一番摘み」といいます。その後、海苔芽が成長して、伸びたらまた摘みます。それを「二番摘み」といいます。この摘みを重ねていくと、海苔芽がだんだん硬くなっていきます。
 行程から見ても、やはり「一番摘み」が柔らかい海苔芽が収穫でき、良質な海苔になるといえます。一番摘みは、なめらかで、口の中でほどけて溶けるような食感が特徴です。


「みす」ですかれた海苔

全形1枚あたりの重さを図り、100枚を束にした時の重量が基準に合っているかを確かめます。


●美味しい食べ方って?
 商品として焼き加工された焼き海苔は、パッケージを開けたら、すぐ口にすることができますが、焼いていない「板海苔」は食べる時に炙りを入れます。美味しくするも、しないも、それは自分自身の知識と腕次第です。
 ガスコンロの火で炙ると均一に火が通らず、焦げることもあるので、おススメしません。家庭で失敗しないコツは、オーブントースターを使うこと。川崎さんの工場にもオーブントースターが常備されていて、予熱したトースターに数秒入れて火を通したものを試食させてもらったら、香ばしい香りの美味しい焼海苔でした。さすが、海苔名人! ガスコンロやストーブの上でよく失敗していた私は、自宅のオーブントースターで、新海苔を均一に炙ることに成功! 手巻き寿司パーティを楽しく行うことができました。


右が一番摘みの海苔で、左が二番摘みの海苔。色の違いが歴然。

●海苔の保存法
 海苔にとっての大敵は、一に湿気、二に光、三に温度です。ひとたび空気に触れると、すぐに風味に影響します。特に海苔がたくさんある時は、万全すぎるくらいのガードが必要です。海苔専用の保存袋はおすすめですよ。密閉するジッパーがついて、光を通さない素材でできているこの袋の中に、さらにきちんと包んだ海苔を入れて、冷蔵庫に入れるといいでしょう。海苔は、他の匂いを吸収しやすいので、密閉性は特に気をつけましょう。冷凍庫に保存すると冷蔵庫よりはもちます。海苔は、季節のものなので、美味しい時期に食べ切ってしまうのが一番です。食べきれない!というときは、佃煮にしたり、スープ、ふりかけなど、様々なアレンジ法がありますよ。


幾度の行程を経て、「みす」ですく準備が整う。工場は、磯の香りが漂う。

26,000枚の板海苔を製造できる大型機械。


 寒さ厳しい冬の産物、佐賀の海苔。
大切な海の宝を余すところなく食べつくすためのポイントは、知っておきたいものですね。

参考:
「佐賀ノリ、14季連続日本一確実~販売枚数、額ともに」佐賀新聞記事

※工場のようすは「まえうみラボ」でも紹介しています。