佐賀ならではの時間や空間の楽しみ方など、通りいっぺんの観光では味わえない濃い深い情報満載です! PR隊長のはなわさんや優木まおみさんがディープな佐賀へと誘います。
佐賀市プロモーション大使の宇都宮直高さんが、同じくプロモーション大使の吉武大地さん、そして、佐賀で開催されたコンサートのメンバー、佐賀県出身のテノール歌手 宮原健一郎さん、尺八演奏家の松村湧太さんと共に、佐賀の伝統産業に触れました。
その名も佐賀県重要無形文化財に指定されている「肥前名尾和紙」。名尾は、佐賀市大和町にある集落の名前。肥前国名尾の場所で手漉きの和紙が始まって300年もの歴史がある産業です。
昔は100件ほどあったという和紙工房もいまでは、六代目の谷口祐次郎さんを当主とする肥前名尾和紙工房1軒のみとなりました。今回はこちらの工房で「うちわ作り体験」をしてみました。
伝統の和紙づくりを体験できるチャンス! いいものつくるゾ
「高校生まで佐賀で育ちましたが、訪ねたことがありませんでした。今回は、伝統の和紙づくりを体験できると聞いて、楽しみにしています」と宇都宮さん。
こちらでは「うちわづくり体験」のメニューがあり、自身で和紙を摺って、絵を描いて、うちわを完成させることができます。通常は15人以上からの受付ですが、今回は、特別に4人で体験させてもらいました。
職人さんたちが実際に紙漉きをする「漉き舟」の前に立った宇都宮さんは、やや緊張の面持ち。「ステージに立つより緊張しますよー」と弱気な台詞に、周りは爆笑! 宇都宮さん、ファイト!!
まずは、紙の摺り方を工房の七代目を継承する谷口弦さんから教えてもらいます。原料となる梶の木は、工房周辺の山で栽培されています。冬の間に木を切り、大釜で蒸し、皮をむいた後、さらに煮て柔らかくなった木の繊維をつくります。紙をする時はこの繊維を紙漉き用の水槽(漉き舟)に入れ、天然由来のノリと水を混ぜて、調合します。
竹の簀(すき)が敷かれた桁(けた)を、漉き舟にどぶっとつけて、さっと引き揚げ、竹簀に残った原料を均等にならしていきます。谷口さんの漉く姿を見本に宇都宮さんも挑戦します。
一連の作業に集中する宇都宮さんは肘や手首、足腰のバネをうまく使い、良い感じに原料が広がりました。紙を漉いたら竹簀からはがして台の上で水を切ります。
「初めてにしては上出来ですよ!」と谷口さんに太鼓判をもらって、宇都宮さんの表情に笑顔がみえました。さあ、水が切れたら次は絵付けです。星やハートなどの型と絵の具、筆が用意されているので、うちわのサイズの範囲内で自由に描いていきます。4人のセンスが試されるといっても過言ではありません。皆さん、真剣な表情で絵付けに取り組んでいました。
乾燥室で乾燥させたら、機械で吸引して、自分ですった和紙のできあがり。これをうちわの骨に載せて切り取ると、うちわの完成です。世界でひとつだけのうちわを見て、「娘をイメージしながら作りました。早速家で使います!」と感慨深げな宇都宮さん。他のみなさんも自作のうちわを大事そうに持っていました。
うちわづくりを終えた4人は、隣のギャラリーへ移動し、素晴らしい和紙の世界を堪能。扇子や照明、インテリアなどにも使われる大判の和紙など、思い思いに見学をしてもらいました。
うちわ作り、楽しかったー。またやりたい!
体験を終えて、宇都宮さんが名尾和紙に触れた感想を語ってくれました。
「取材だけどオフのような感覚で楽しめました。うちわ作りで紙漉きを体験させてもらい「こんなに難しいものなのか!」と、長きにわたって継承されてきた伝統の技をひしひしと感じました。歌のようにはうまくいきませんね(笑)。何か作ったりするのが好きなので、すごく真剣にやっていました。カラフルな色づかいで、可愛らしいものを作ってみたかったのですが、色付けのところが難しかったです。
ご厚意で、中学校の卒業証書の紙漉きもやらせてもらい、感激しました。結果はボツになりましたけど(笑)。名尾和紙さんの紙でできた卒業証書をもらえる佐賀市の中学生がうらやましいなーと思いました。名尾和紙の伝統と歴史を背負って、たった一軒となった工房を続けていらっしゃることに敬意を表します。また、工房にお邪魔して、うちわ、つくってみたいです!」。
うちわ作り体験(要予約・平日のみ開催)
体験料 1,500円(平日のみ15名より受付)
DATA
肥前名尾和紙工房
佐賀県佐賀市大和町名尾4754
電話 0952-63-0334
休み 年末年始
平日の工房作業は見学可(土日祝日は作業休止)
ギャラリーは見学自由
肥前名尾和紙
SAGAMAGA記事「肥前名尾和紙」