佐賀ならではの時間や空間の楽しみ方など、通りいっぺんの観光では味わえない濃い深い情報満載です!  PR隊長のはなわさんや優木まおみさんがディープな佐賀へと誘います。

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vol.7

今号の研究テーマ

オンナの酒場呑みある記 #3 ふるかわ

オンナの一人飲み歩きも板についてきたかしら? 今回はちょっと街なかから南のほうへ行ってみることにしよう。
まえうみ(有明海)ものをはじめとした地のものが美味しくいただけて、佐賀の酒も充実している佐賀市水ヶ江の「ふるかわ」にお邪魔してみた。

カウンターは8席のみ! この場所に座れたら”ラッキー!”と思うべし

 ふるかわは、佐賀市水ヶ江にある。目印は、龍谷高校交差点。そこから蓮池方面に入り、道なりに走るとふるかわの看板が見えてくる。水ケ江ふるかわの創業は大正年間、現店主の古川真浩さんの曽祖父がはじめ、真浩さんが5代目。創業当時から仕出しや宴席中心で、2階がお座敷になっていたが、真浩さんが修行を終えて佐賀に戻ってきた平成14年、1階にカウンター席を設けて、お客さんを迎えるようになった。


 今、常連さんで賑わっている1階のカウンター席は、8席のみの特等席なのだ。カウンターごしに「今日は何が入ってる?」なんて聞きながら、肩の荷を下ろしてオフに浸れる椅子がいとおしく感じる。ちなみに、佐賀市愛敬町のふるかわも良く知られているが、真浩さんは甥っ子にあたるのだ。

みずふるでは、これを食べよ!! 有明海産うなぎの白焼きに佐賀のり!

 常連さんの間では愛敬町のふるかわが「あいふる」と呼ばれていることから、ここでは、水ケ江ふるかわを「みずふる」と呼ぶことにしよう。みずふるは、地元色にあふれるお店。ショーケースを埋める有明海や玄海産の魚介類が「私を食べて~」と誘っているよう。仕入れによって提供できるものが変わるので、カウンター正面に提げられたホワイトボードにおすすめが書かれている。常連さんはこれを見て「アレ」「コレ」とオーダーしている。みずふるでは刺身類は押さえておきたいところ。一人呑みのボリュームで出してくれるのも安心。筆者は、手長ダコの煮つけとエツ子南蛮の小鉢、それと、どうしても食べたかった有明海天然うなぎを注文した。お酒も好きだが、やはり、それに合う料理があって楽しさが増すというもの。


ふるかわ名物「天然鰻の白焼き」脂ののり具合といい焼き加減といい、うっとりするほどの旨さ。ワサビ醤油に佐賀のりを巻いて食べてみよう。


お酒は何にしましょかね?


 みずふるには、常時20種類ほどの佐賀の酒が揃っている。「基本は佐賀のお酒です。自分はたくさんは呑めないんですが、味の確認の意味でもチビッとはやりますよ。季節酒も入れています」と真浩さん。訪れた7月は、夏向けの酒が入荷されており、気になるお酒を飲んでみた。



 「えーっと最初は、古伊万里 前の落款ラベルで !」アルコール度13%の軽めの大吟醸。今季初めて発表されたお酒で、大吟醸らしい華やかな香りとお米の旨みの調和が心地よく、口当たりもやさしい。ビールではなく日本酒から始める筆者にとっては、1杯目にビンゴな1杯という印象。普通、13度となると薄いの?と心配する人もいるが、そんな心配をよそに、ちゃーんとお米を感じながらも軽く感じるのが、バランスの良さなのだろう。能古見スパークリング、天吹スイカラベルと、タイプの違う佐賀の酒を料理と共に堪能することができた。


マリアージュで印象はまた変わる

 はじめの1杯は「泡」からと決めつけずに、飲むお酒のタイプに合わせて順番を組み立てると、よりお酒を引き立てるというか、それぞれが引き立て合うというか、マッチングが楽しくなる。「何から飲んでも良かろうもん!」という方も、お店の方に訊くなりして順番を意識して呑んでみたら、日本酒の印象や酒肴の味わいがまた変わるかもしれないよ、と言いたい。


日本酒は半合呑みもできる。324円~。酒肴に合わせてお酒を選ぶ楽しみがある。
写真は、店主の古川真浩さん。


一級品のお料理と共に地酒を堪能。アットホームな雰囲気に安心感漂う

 天然うなぎや旬の魚介を一番美味しい状態で出してくれる店と聞けば、一瞬敷居が高い店なのでは?とドキッとするかもしれない。ところが、ここはとても家庭的。店主の真浩さんと母親の明美さん、奥さんの幸子さん、家族で店を切り盛りしている。そして、さらに癒されるのが明美さんや幸子さんにおんぶされた明日架ちゃんや、時々店に顔を出してほっこりさせてくれる蒼眞君や明楽ちゃん。リラックスして極上の酒肴と地酒を呑めるお店は貴重な存在だ。


看板娘の明日架ちゃんと祖母の明美さん。カワイイ仕草にお客さんの目がデレデレに。

〆の五島うどん。


 カウンター越しに談笑しながらの時間はあっという間に過ぎていき、名残惜しい気持ちで「みずふる流の締め」をオーダーしたら、出てきたのは「五島うどん」。麺つゆに薬味を入れて細めの麺と絡めて食べたら、飲んだ後でもツルツルと喉を通っていく。通常はご飯で〆る担も「これはアリ!」とお気に入りにインプットした。翌日もまた頑張れそうな、癒しと活力をもらえるお店だった。代行呼んで、日常に戻ろう…。



<この日の飲み歩き>  合計3240円
日本酒
 古伊万里 前 大吟醸 落款ラベル 90ml 432円
 能古見スパークリング 特別純米 90ml 324円
 天吹特別純米すいかラベル 純米酒 90ml 324円
酒肴
 手長タコの煮つけ  324円
 エツ子の南蛮  324円
 有明天然ウナギの白焼き 佐賀海苔 1080円
 五島うどん  432円

ふるかわ
住所 佐賀県佐賀市水ヶ江2-16-53
電話 0952-23-4259
営業 18:00~23:00
定休 水曜

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