佐賀ならではの時間や空間の楽しみ方など、通りいっぺんの観光では味わえない濃い深い情報満載です!  PR隊長のはなわさんや優木まおみさんがディープな佐賀へと誘います。

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vol.10

今号の研究テーマ

湯めぐり美肌紀行 ♯7 古湯温泉 ”鶴霊泉”

朝晩にくわえ昼間も寒い時があり、温泉が恋しい季節になった。冬にぬる湯もオツなもの。長く浸かることができ、湯上りには体の芯から温まっていることを実感できる佐賀市の財産だ。今回は、古湯温泉街へ赴き、日帰り入浴を利用した。

 古湯温泉「鶴霊泉」は、国道323号線から石畳の古湯温泉街に入り、木看板の案内に沿って小さい道を曲がって突き当たりを左折すると右手にある。建物の前には、恵比須像やこの温泉を見つけたとされる稲口三右衛門の石像が祀られており、古湯温泉を見守っている。


稲口三右衛門の石像


 こちらの温泉は、湯底の砂の間から厳選が湧出している世にも珍しい温泉で、鶴がこの湯で傷を癒して数日後には飛び立っていったという逸話から「鶴霊泉」と名付けられた。旅館としての創業は50年ほどになり、現在は、小池典洋さんが父から代を譲り受け「鶴の恩返し よみがえりの宿」というコンセプトを掲げてハード、ソフト両面に渡ってリニューアル。お客様を陰でサポートして満足度を高める空間を演出する新たなコンセプトで切り盛りしている。黒と赤を基調にした館内は、和モダンな雰囲気で統一され、本館突き当たりの窓からは、日本庭園を眺めながら食事が楽しめる。


 さて、気になる日帰り入浴を利用してみた。こちらの日帰り入浴は午前11時から午後2時(受付)まで。フロントで受付を済ませ、階下に下りると、浴場がある。大浴場は底に敷かれた砂の間から温泉が湧き出る「砂湯」の浴槽と、砂湯より温度を上げている浴槽の二つがあり、案内の際に「最初は砂湯のほうに入ってみてくださいね」と親切に入り方を教えてもらったので、まずは、砂湯に身体を浸けてみた。


大浴場(天然砂湯)

 「ぬ、ぬるい!!」「いや、ぬるいというより冷たくも感じる…」というのが入った瞬間の素直な感想。それもそのはず、砂湯は源泉のまま36度くらいしかなく、外気によっては寒くも感じるほどの湯温なのだ。それでも、首までしっかり浸かり手で身体を撫でていくと、ぬるっとした湯の感触が膜をはったように体を包んでくれる。いつまでも、永久的に浸かっていれそうなほど心地よくなってくる。


砂湯の壁の湯口から飲用できる

 れっきとしたオトナだが、底の砂を触ったりもしたくなってくる。不思議なお湯だなーとゆっくりまったり思いを巡らせながら、10分ほど浸かり、加温された浴槽へ身体を移す。


 「あ、あったかーい」「砂湯がぬるすぎて、熱めにも感じる…」というのが隣の浴槽の素直な感想。40度ほどに温められた温泉は、本当は熱いほうではない。しかし、36度の湯から移ると、とても温かく感じて、ほっとする。常連客と一緒になり、一期一会の会話を楽しんだ。


昭和初期の石積み


 入浴後は、温泉と同じ階にある休憩所で涼むもよし、1階に配されているソファでくつろぐもよし、自由に過ごしてよいという。時間があるなら、食事まで堪能していきたいところである。家族連れやカップルには、貸切湯「夕鶴の湯」「朝鶴の湯」もある。


庭には足湯もある。


鶴の恩返し よみがえりの宿 鶴霊泉
住 所:佐賀市富士町古湯875
電 話:0952-58-2021
源泉名:富士町第二源泉(鶴霊泉)
泉 質:アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性温泉)
泉 温:36.0度
効 能:慢性リュウマチ、神経痛、神経炎、骨及び関節等運動器障害、外傷性障害後の治療、疲労回復
入浴料:大人1000円
(貸切湯は、夕鶴の湯 2500円、朝鶴の湯 2000円)

SAGAMAGA編集長

さが酒&ぬる湯愛好家

庄島瑞恵

MIZUE SYOUJIMA

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